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0.1秒で売上は動く。ページ速度は、最短の成長戦略である。
広告費を増やさず、デザインを壊さず、いまの流入のまま売上だけ伸ばす方法はあるのか?あります。鍵はページ速度。たった0.1秒の短縮でCVRがズレるのです。複数の実証研究が示すこのわずかな差は、ユーザーの指先と離脱率、そして検索順位に直結します。
Posted at
2025/10/15
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Tips
広告費を増やさず、デザインを壊さず、いまの流入のまま売上だけ伸ばす方法はあるのか?あります。鍵はページ速度。たった0.1秒の短縮でCVRがズレるのです。複数の実証研究が示すこのわずかな差は、ユーザーの指先と離脱率、そして検索順位に直結します。
この記事では、速度がなぜSEOと収益を同時に押し上げるのかを、研究データ→設計思想→実装の順で解きほぐし、最後に1週間で体感できる速度改善プランを提示します。
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まず事実から。Google×Deloitteの共同研究は、小売や旅行など複数業種で0.1秒の高速化がCVRを有意に押し上げることを示しています。別の大規模調査では、3秒を超えると過半数が離脱。ECのフィールド研究でも、100msの遅延がCVRを2〜7%押し下げると報告されています。つまり、私たちが「体感できない」と思い込んでいる領域こそが、購買の現場では体感されているのです。
では、なぜ速度がSEOにも効くのか。理由はシンプルで、検索エンジンはユーザーが満足して留まるサイトを上位に置きたいからです。速度はUXのベース指標であり、Core Web Vitals(LCP/INP/CLS)はその代表格。速い=読み始める人が増える=滞在が延びる=内部回遊とCVRが上がる。この“良い循環”自体が、検索結果での信号になっていきます。
速度設計の起点は「上位Foldを軽くする」覚悟です。ヒーロー画像はAVIF/WebP、必要十分な解像度だけ配信、Critical CSSで瞬間的に骨格を描き、フォントはdisplay:swapでブロッキング回避。JavaScriptはページ単位の分割を徹底し、ファーストビューには本当に必要な機能しか置かない。サードパーティタグは“とりあえず入れる”の逆を行き、同意後に遅延実行する。これだけで、驚くほどLCPとINPが整います。
計測は「怖いくらい可視化」してください。PageSpeed InsightsやLighthouseでスコアを見る前に、実ユーザーのRUM(Chrome UXやGSCのCWVレポート)で本番の分布を見ます。平均値ではなく、p75(上位75%)を追うのがコツ。さらに速度バジェットをチームの共通言語にします
例) LCP ≤ 2.5s|INP ≤ 200ms|CLS ≤ 0.1|ページ重量 ≤ 1.5MB
バジェットは“デザインの敵”ではありません。むしろ、演出をもっと上手く見せるための余白です。骨格を一瞬で見せられれば、アニメーションは下層で優雅に遅延しても、体感はむしろリッチになります。
以下
1:現状把握—RUMでLCP/INP/CLSのp75を取得、最遅ルートを特定
2:メディア最適化—ヒーロー画像のAVIF化+loading="lazy"の適用
3:フォント—可変フォント1種に集約、preload+display:swap
4:JS 30%削減—未使用依存の除去、ルート分割、初期化の遅延
5:キャッシュ—CDN/Edge設定、immutableとstale-while-revalidate
6:上位FoldのCritical CSS—FOUC/FOIT対策を仕上げ
7:計測→回帰—差分比較、残タスクの燃尽と次スプリント計画
“0.1秒=どれだけの売上か”を社内KPIに変換すると、意思決定は劇的に速くなります。例えば月間CV1,000件・CVR2%・客単価¥10,000のサイトで0.1秒短縮→CVR+8%なら、売上は月+約80万円。広告なしで積み上がるこの数字は、経営が最も好む“静かな成長”です。
すぐ効く3つだけ覚える
上位Foldを軽く。JSを遅らせる。可視化で続ける。
速度は“開発の趣味”ではなく、最短の成長戦略です。今日から0.1秒、取りに行きましょう。
